アメリカ大学への出願では、学校の成績やSAT・ACTだけでなく、先生やカウンセラーが提出する推薦状も重要です。
しかし、日本の学校では英語の推薦状を作成した経験が少なく、先生へいつ、どのように依頼すればよいか分からない場合があります。出願直前にお願いするのではなく、G11に相当する高校2年生の段階から準備を始めることが大切です。
推薦状は成績証明書の説明ではない
推薦状の目的は、成績表に書かれている数字を繰り返すことではありません。
授業中の姿勢、知的好奇心、課題への取り組み、周囲との協働、失敗からの成長など、書類だけでは分からない本人の特徴を大学へ伝えるものです。
「数学で5を取った」という事実より、「難しい問題に対して複数の解法を考え、他の生徒にも説明した」といった具体的な場面の方が強い推薦になります。
誰に依頼するか
有名な先生や役職の高い先生より、本人をよく知り、具体的なエピソードを書ける先生へ依頼します。
STEM志望者であれば、数学、物理、化学、情報など、志望分野に関連する授業の先生が有力です。大学によっては異なる教科の先生による複数の推薦状を求める場合もあるため、出願要件を早めに確認します。
担任や進路指導担当者が提出する学校推薦と、教科担当の先生が書くTeacher Recommendationは役割が異なることがあります。
高校2年生から関係を築く
推薦状のために急に先生へ近づくのではなく、普段の授業を通して本人を知ってもらうことが重要です。
- 授業中に考えた質問をする
- 提出物へ丁寧に取り組む
- 研究やプロジェクトについて相談する
- フィードバックを受けて改善する
- 他の生徒との協働に責任を持つ
推薦状は、一時的なアピールではなく、日常の積み重ねから作られます。
先生へ渡す資料を準備する
日本の先生は、生徒の学校外でのAP、研究、Activity、大学志望まで把握していないことがあります。依頼時には、先生が内容を理解できる資料を用意しましょう。
- 志望大学と志望専攻
- 提出期限と提出方法
- 授業で印象に残っている経験
- 学校内外のActivity
- AP、SAT・ACT、英語資格などの実績
- 研究・開発プロジェクトの概要
- 大学で学びたい内容と将来の目標
これは先生に内容を指定するためではなく、本人について具体的に思い出してもらうための補助資料です。
日本語で原案を作ってもらう方法
先生が英語で推薦状を書くことに不安を感じる場合は、まず日本語で内容を作成してもらい、学校の許可を得たうえで英訳する方法があります。
英訳では、過度に華やかな表現を追加せず、日本語原文の意味と先生の評価を正確に保つことが重要です。AIや翻訳者を利用する場合も、最終版は推薦者本人が内容を確認し、承認しなければなりません。
生徒本人が推薦状を書き、先生の名前だけを借りる形は避けるべきです。推薦状は、あくまで先生自身の評価として提出される書類です。
具体的なエピソードを入れる
「真面目で優秀です」「リーダーシップがあります」という一般的な表現だけでは、本人の姿が伝わりません。
たとえば、難しい数学問題に粘り強く取り組んだ経験、研究結果が予想と異なった際に方法を修正した経験、チーム内の意見をまとめた経験などを入れると、人物像が具体的になります。
特に、最初から完璧だった話より、課題に直面し、フィードバックを受け、成長した過程が書かれている推薦状には説得力があります。
学校から直接提出してもらう
推薦状は、通常、生徒本人が大学へ送るのではなく、先生や学校が出願システムを通して直接提出します。
Common Appなどでは、推薦者の氏名とメールアドレスを登録し、推薦者へ提出依頼が送られます。先生が学校のメールアドレスを使用できるか、オンライン提出へ対応できるかを早めに確認しましょう。
生徒が完成した推薦状を自由に編集したり、本人のアカウントから提出したりすることは避けます。
依頼と提出のスケジュール
| 時期 | 準備内容 |
|---|---|
| 高校2年生 | 推薦を依頼したい先生との関係を築く |
| 高校2年生の終盤 | 推薦状を依頼できるか相談する |
| 高校2年生の春~夏 | 志望専攻、実績、エピソードをまとめた資料を渡す |
| 高校3年生の初め | 提出方法と正式な締切を伝える |
| 締切の数週間前 | 失礼のない形で提出状況を確認する |
日本の学校で注意したい点
日本の先生は、国内大学向けの調査書には慣れていても、アメリカ式の推薦状には慣れていない場合があります。
推薦状に必要な内容、英語での提出、オンラインシステム、締切が日本の出願とは異なることを、十分な時間を取って説明しましょう。
また、学校として外部への推薦状発行に規定がある場合もあります。本人や保護者だけで進めず、担任、進路指導担当者、学校管理者へ早めに相談することが重要です。
良い推薦状を準備するための要点
- 本人をよく知る先生へ依頼する
- 高校2年生から授業を通して関係を築く
- 志望専攻や活動をまとめた資料を渡す
- 一般的な褒め言葉ではなく具体例を入れてもらう
- 日本語原案を英訳する場合も先生の確認を得る
- 学校または先生から直接提出してもらう
- 締切より十分早く依頼する
まとめ
日本の学校からでも、アメリカ大学出願に必要な英語の推薦状を準備できます。ただし、締切直前に英文作成だけを依頼しても、本人の魅力が伝わる推薦状にはなりにくいでしょう。
重要なのは、普段の授業や研究活動を通して先生に本人の成長を知ってもらい、具体的なエピソードを書ける関係を作ることです。
先生へ十分な資料と時間を提供し、学校の規定に従って正しく提出することが、日本の学校から信頼性の高い英語推薦状を準備する方法です。