ChatGPT、Claude、GitHub Copilotなどの生成AIを使えば、高校生でも研究のアイデア整理、データ分析、プログラミング、アプリ開発を進められます。
ただし、「生成AIを使って何かを作った」だけでは、強いActivityにはなりません。大学出願で評価されるのは、本人がどの問題を選び、AIをどのように使い、何を検証・改善し、どのような成果へつなげたかです。
最初に解決したい問題を決める
プロジェクトは、「AIを使いたい」から始めるのではなく、「誰のどの問題を解決したいか」から考えます。
- 生徒の数学の誤答傾向を分析したい
- 植物実験の画像を効率よく分類したい
- 地域の環境データを分かりやすく表示したい
- 先生の小テスト集計作業を自動化したい
本人の経験や関心から生まれた問題であるほど、活動に一貫性が生まれます。
研究型と開発型のどちらにするか
研究型では、「どの方法が最も正確か」「どの要因が結果へ影響するか」といった問いを設定し、データを使って検証します。
開発型では、利用者の問題を解決するアプリやシステムを作り、実際に使ってもらいながら改善します。両方を組み合わせ、研究結果をアプリへ発展させることも可能です。
生成AIの役割を限定する
生成AIは、アイデア比較、コード案の作成、エラーの原因調査、文章構成の確認などに利用できます。
一方、研究課題、仮説、データの解釈、採用する方法、最終的な結論は本人が判断しなければなりません。AIに研究や開発の中心を任せるのではなく、本人の作業を支援する道具として使います。
AIの出力を必ず検証する
生成AIは、存在しない論文、誤った計算、動作しないコードを出すことがあります。回答が自然だからといって、正しいとは限りません。
- 論文や統計は原典を確認する
- 数式や計算を自分で検算する
- コードへテストケースを作る
- 複数のモデルや方法を比較する
- 誤った結果が出る条件を分析する
AIの誤りを見つけ、修正した過程こそ、本人の理解力と問題解決力を示します。
本人の役割を記録する
Activityとして説明するために、開発日誌やGitHubへ作業過程を残しましょう。
- 本人が設定した研究課題
- 生成AIを使用した工程
- AIの提案から採用しなかった案
- 本人が修正したコードや分析方法
- 失敗と改善の記録
- 利用者から得た意見
完成品だけでなく、判断と改善の履歴を残すことで、本人がプロジェクトを主導したことを示せます。
第三者へ使ってもらう
個人制作で終わらせず、生徒、先生、研究仲間、地域団体などに試してもらいます。
使用回数、正答率、処理時間、利用者の感想などを集め、改善前後を比較すれば、社会的な成果を具体的に示せます。少人数でも、継続利用と実際の改善があれば価値があります。
成果と限界を正確に示す
AIプロジェクトでは、精度や利用者数を大きく見せるのではなく、限界も説明することが重要です。
データが少ない、特定の条件では誤る、他の集団には結果を一般化できないなど、問題点を認識していることが研究力を示します。
大学出願での伝え方
Common AppのActivities欄では、「生成AIでアプリを作った」だけでなく、問題、本人の役割、改善、成果を簡潔に記載します。
たとえば、「数学の誤答分析システムを設計し、生成AIをコード作成支援に使用。生徒による試用結果を分析し、3回の改善を実施した」のように説明します。
AIツールの名前より、本人がどの判断を行い、どのような価値を生み出したかが重要です。
Activityにするための7段階
- 本人の関心から問題を見つける
- 研究課題または利用者を具体化する
- 生成AIの使用範囲を決める
- 出力を検証し、自分で修正する
- 試作品や分析結果を完成させる
- 第三者の反応をもとに改善する
- 本人の役割、成果、限界を記録する
まとめ
生成AIを使った研究・開発も、本人が問題設定、設計、検証、改善を主導すれば、大学出願で示せるActivityになります。
重要なのは、AIに何を作らせたかではありません。AIの提案をどのように評価し、誤りを修正し、現実の問題解決へつなげたかです。
生成AIを代行者ではなく研究・開発の補助者として使い、本人の思考、判断、試行錯誤が見えるプロジェクトへ育てましょう。