UC Berkeley、UCLA、UC San DiegoなどのUniversity of California(UC)系大学は、2026年現在、SAT・ACTを入学審査や奨学金選考に使用していません。これは、受験者がスコアを提出するかどうかを選べる「Test Optional」ではなく、提出しても合否判定には使われないTest Freeの方針です。
UCは2020年にテスト方針を変更
UC理事会は2020年、SAT・ACTの提出要件を段階的に廃止する方針を決定しました。当初は、UCが求める学力や高校での学習内容に、より適した新しい試験を開発する可能性も検討されました。
しかし、新試験の導入には至らず、現在はSAT・ACTを入学審査から除外しています。この方針は、California州内の学生だけでなく、州外や海外から出願する学生にも適用されます。
理由1:家庭環境による受験機会の差
SAT・ACTの得点は、本人の学力だけでなく、家庭の経済状況、試験対策講座を受けられるか、何度も受験できるかといった環境にも影響されます。
特に地方や低所得家庭の学生は、試験会場への移動、受験料、教材、個別指導などの面で不利になる可能性があります。UCは、公立大学として幅広い学生に公平な出願機会を提供するため、標準テストへの依存を見直しました。
理由2:高校での学習内容とのずれ
UCは、SAT・ACTが、高校で履修した科目やUC入学後に必要となる能力を十分に測定しているのかについても検討しました。
一度の試験結果だけで判断するより、高校でどのような科目を選び、数年間にわたってどのような成績を取ったかを見る方が、学生の学習姿勢や大学での準備状況を把握しやすいという考え方です。
理由3:総合評価を重視するため
UCの入学審査では、高校の成績、履修科目の難度、成績の推移、課外活動、家庭や学校の環境、Personal Insight Questionsなどを総合的に評価します。
SAT・ACTを使わないことは、学力を重視しないという意味ではありません。むしろ、GPAや履修内容の重要性が高くなり、限られた学校環境の中でどれだけ挑戦したかが詳しく見られます。
テスト廃止後も学生は大学で成功している
UCはTest Free移行後の入学者についても継続的に調査しています。UCの公表資料では、SAT・ACTを使わない選考へ移行した後も、新入生の定着率などは従来と同程度の水準を維持していると報告されています。
これは、SAT・ACTがなくても、高校成績や履修科目を中心とする総合評価によって、大学で学ぶ準備ができた学生を選考できることを示しています。
SAT・ACTのスコアは完全に不要なのか
UCでは、SAT・ACTを入学審査や奨学金選考には使用しません。ただし、提出されたスコアが、最低出願条件を満たす別の方法や、入学後のクラス分けなどに利用される場合があります。
また、SATやACTの一部スコアが英語能力要件を満たす方法として認められる場合もあります。したがって、「UCではSAT・ACTに一切意味がない」とまでは言えませんが、合否を有利にする材料にはなりません。
日本から出願する学生の戦略
UC BerkeleyやUCLAを目指す学生は、SAT・ACT対策だけに時間を使うのではなく、学校のGPA、AP・IBなど難度の高い履修、Activity、Personal Insight Questionsを重視すべきです。
ただし、Stanford、MIT、HarvardなどSAT・ACTを求める大学にも出願する場合は、標準テスト対策が必要です。UCだけを見て「SATは受けなくてよい」と判断せず、出願予定校全体の方針を確認しましょう。
まとめ
UC系大学がSAT・ACTを審査に使用しない主な理由は、家庭環境による受験機会の差を減らし、高校での継続的な学習成果を中心に、学生を総合的に評価するためです。
Test Freeは学力評価の廃止ではありません。むしろGPA、履修科目、Activity、Personal Insight Questionsの内容が、これまで以上に重要になります。
公式情報
- University of California|First-Year Requirements
- University of California|Filling Out the Application
- University of California|Standardized Testing Policy
※本記事は2026年6月時点のUC公式情報に基づいています。出願時には、University of Californiaの公式Admissionsページで最新条件をご確認ください。