ChatGPT、Claude、GitHub Copilotなどを使えば、高校生でもアプリやWebサービスを開発できる時代になりました。そこで気になるのが、「AIがコードを書いたプロジェクトを、本人のActivityとして大学出願に記載してよいのか」という問題です。
結論として、AIを使ったプロジェクトも、本人が開発を主導していれば本人の実績になります。重要なのは、AIを使ったかどうかではなく、本人が何を考え、判断し、検証し、改善したかです。
AIは開発を支援する道具である
現在のソフトウェア開発では、生成AIを使ってコード案を作る、エラーの原因を調べる、設計方法を比較するといった作業が一般的になりつつあります。
電卓や検索エンジン、プログラミングライブラリを使っても成果が本人のものになるのと同様に、AIも適切に使えば開発を支援する道具になります。
本人の実績として評価される条件
- 解決したい問題を本人が見つけた
- 必要な機能や設計を本人が考えた
- AIが生成したコードを理解している
- 動作をテストし、誤りを修正した
- 複数の方法を比較して選択した
- 利用者の意見をもとに改善した
- 成果と限界を自分の言葉で説明できる
AIがコードの一部を作成していても、本人が問題設定から完成まで責任を持っていれば、主体的な開発Activityとして説明できます。
本人の実績とは言いにくい例
AIへ簡単な指示を出し、生成されたコードをほとんど確認せず公開しただけでは、本人の技術力や問題解決力は伝わりません。
- コードの仕組みを説明できない
- エラー修正もすべてAIへ任せた
- 既存の作品を少し変更しただけである
- AIが作った成果を完全な自作として示した
- 利用者数や効果を実際以上に誇張した
完成品が動くことだけでなく、本人がどのように考えて完成させたかが重要です。
大学出願では本人の役割を伝える
Common AppのActivities欄では、使用したAIツールの名前を並べるより、本人が行った作業と成果を中心に書きます。
たとえば、「生成AIで学習アプリを作成」ではなく、「数学の誤答分析システムを設計し、生成AIをコード作成支援に利用しながら、検証、デバッグ、生徒による試用、3回の改善を行った」と説明します。
GitHubに開発過程を残す
GitHubには完成したコードだけでなく、README、Commit履歴、Issues、更新内容を残しましょう。
READMEには、プロジェクトの目的、本人が担当した部分、AIを使用した工程、テスト方法、成果、現在の限界を記載します。AIが生成したコードへどのような修正を加えたかを示せれば、本人の判断と改善過程が伝わります。
AIの出力を検証する力が重要
生成AIのコードには、誤り、非効率な処理、セキュリティ上の問題が含まれることがあります。AIの回答をそのまま信用せず、テストケースを作り、正しく動くか確認しなければなりません。
AIを使って速く作る能力だけでなく、AIの誤りを発見し、よりよい方法へ修正する能力が、本人の技術力として評価されます。
AI利用を隠す必要はない
AIを使用したことを必要以上に隠すべきではありません。一方で、すべての小さな利用を細かく申告する必要もありません。
AIが開発の重要な部分を担った場合は、本人の役割が誤解されないよう、「AIを開発支援に使用し、本人が設計、検証、修正を担当した」と正確に説明することが大切です。
まとめ
AIを使って開発したプロジェクトも、本人が問題を発見し、設計、検証、修正、評価を主導していれば、大学出願における本人の実績になります。
反対に、AIが作った成果を理解せず、そのまま自作として示しても、強いActivityにはなりません。AIを使わないことを目指すのではなく、AIを適切に管理し、その出力へ責任を持つことが重要です。
大学へ伝えるべきなのは、AIが何行のコードを書いたかではありません。本人がどの問題を選び、どの判断を行い、失敗をどう改善し、最終的にどのような価値を生み出したかです。